所長の講義や講演はとっても明るい雰囲気ですが・・・
時々、毒を吐く【黒所長】が出現します(笑)
医学生は基本的に【医者】にしかなれません。
であれば、医者としてのスタートは研修医として就職した時ではなく
『入学した時』であることを自覚しておくべきです。
無自覚の『6年』という時間損失は実に大きいのです。
上司=教育者 とは限らない
医学生にありがちな『マインド』なのですが
よく
『○○科の実習はヒマ』
『基本的に放っておかれる・・・』
という言葉を耳にします。
ほぼ全科のローテートが義務づけられている初期研修でも同じです。
しかし
このようなマインドでは成長が期待できません。
巣の中で口を開けているヒナに対して
餌を投げ入れてくれる人は・・・以外と少ないものです。
特に
実臨床の場では、目の前に『業務』があり、
全てにおいて『患者さんの状態』に直結するため
【最善手を最短時間で打つ】
ことに集中すると、指導することは2番手になりがちです。
このような状況下では
なかなか
指導をする
という熱量を持続するというのは困難です。
常に『良き指導者』となっている上司は少ないと思った方が良いでしょう。
見て学ぶ・感じて身につける と 質問力 の重要性
とはいえ
全く教える気が無いか?
というと
そうではありません。
ただ、1から100まで教えている『余裕』がない事が多いのです。
ですから、
学びの姿勢としては・・・当たり前ですが、
- 見て流れをつかむ
- 自分の力量を客観的に判断して、出来ることには手を出す
- 何が分からなくて何が出来ないかをちゃんと伝える
といった事が重要です。
そして
何よりも重要なことは
単に巣の中で口を開けて待っているのではなく
巣の外へエサをもらいに行く
という事を心がけることです。
所長!縫合教えて下さいヨ〜
知らんがな!今やってるオペとりあえず見とけ!
こんな会話は日常茶飯事です。
でも、もし、たぴぞうが術中の助手をしっかり務めた上で・・・
所長、真皮縫合かけるときに、いつも対面側が上手くかけられないんですけど
どうやったら向こう側の浅い点を拾えるようになりますか??
なんていう『具体的な問題点の解決法』を聞いてきたらどうでしょうか?
ちょっとここ1針縫って見せてみ
・・・ん〜そもそも持針器の指の添え方が違うな。
でもって、左の鑷子の返しも甘いから、中指で返しの支点作って返して・・・
と、指導モード全開になるはずです。
たぴぞうの質問が琴線にふれたのは
自分の到達点と疑問点を明確に出来ていて
超えさえすれば次へとすすめる壁 が明確に出来ているからです。
○○って何ですか?・・・調べりゃ分かる
▲▲ってどうですか?・・・感想聞きたいの??
●△教えて下さい!・・・どこから始める??
といった質問では
おそらく熱い指導は返ってきません。
自分の力量(現状)を理解させた上で答えてもらう『質問力』が必要です。
結果として『仕事が出来るヤツの所にしか仕事は来ない』
さて
今回のタイトルにある【闇と実情】ですが
その根幹の部分は
上司=教育者とは限らない ↓ 忙しい時は手を抜きたい(抜かざるをえない) ↓ 出来る部下が『好き』 & ペーペーの部下は不要
というマインドの上司が多い ということです。
そして
結果として
『仕事の出来るヤツの所にしか仕事が来ない』
ようになってしまいます。
医局長として最も苦労したことは
『指導水準をいかに均てん化するか』ということでした。
時に、施設の長に厳しいことを言いもしましたが
施設長・指導医の立場になってみれば
指導の熱量を上げられないのも無理もないことかもしれません。
それを実感する演習をしてみましょう。
あなたは
指導医(真ん中のヒゲおじさん)だとします。
指導医として 能力値 5 の A君と 能力値 3 の B君に(能力値は数字の大きい方が高い)
難易度(必要能力値)『6』『4』『2』の3つの仕事を振り分けるとします。
あなたはサポートはするものの実際にやるわけではなく
指導の一環として仕事を『させなくてはいけません』
さて
どのように振り分けますか??
それを考えた上で続きの動画をご覧下さい。
それが、今回
所長の最も言いたかった事です。
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